2017年2月17日金曜日

ドクトールの悲しみ。。。

オーナーの仲良しさんで
トゥルムでクリニックを開いている
ドクトール (Doctor スペイン語で医者のこと)がいます。

見たところ、私よりも年上に見えたんですが
なんと年下だったことが発覚!汗

その奥様も、
すごく年上にみえたんですが
実はかなり年下でした!汗!

いや~メキシコ人って
日本人より大人に見えますよね。。。

で、そのドクトールというのが
飛び級をして、15歳ぐらいで大学の医学部に入ったという
伝説の大秀才らしいんですね。

その後も、飛び級で医師の資格を取り
さらなる勉強を続け
アメリカにも留学したことがあるとか。。。

でも、
現代医療に限界を感じ
東洋医学を習い始め
鍼灸の資格を取ったそうです。

そして自分のクリニックでは
現代医療と東洋医学、
さらに、カイロプラクティック、
オステオパシー、オゾン療法などなど
とにかくいろんな代替医療をつかって
ホリスティック医療を実践している方なのです。

いろんなところでドクトールとして働いていたのですが
10年ぐらいまえにトゥルムに流れ着き
そのままクリニックを開いて住んでいるんだそうです。

海外からも患者さんが来るほどに
有名なクリニックになりつつあったのですが
突然の不幸が。。。


なんと、最愛の奥様が
がんになって余命三カ月と宣告され
余命宣告通りに亡くなってしまったのです。

まだ40歳になる前だったのに。。。

急に体調不良を訴えたので
ドクトールが検診をしたところ
どうやらがんのようだ。。。ということで
大きな病院で本格的な検査をしたのですが

その時は、がんではない。。。といわれたのだそうです。

でも、絶対にがんだと思ったドクトールは
再度彼女を検査に送り
その時に判明したのは
すでに全身に転移していて
もはや何もできない。。。ということでした。

抗がん剤を拒んだ彼女は
ドクトールの献身的な介護を受けながら
その余命を全うされたそうです。

お葬式にいったオーナーによると
ドクトールは、オーナーの目を見るなり
「何にもできなかったんだ。本当に何にもできなかったんだ。。。」と
大粒の涙を流し始めたそうです。

だぶん、彼が一度も味わったことのない
挫折だったのでしょう。。。


そして、ドクトールは
お葬式の場で
妻と自分の患者たちに、
自分の驕りを謝罪したい。。。と言っていたそうです。


メキシコの普通のお葬式では
墓地に遺体を埋めますが

ドクトールの奥様は
遺灰をトゥルムの海へ。。。と希望されたそうです。

聞いたところによると
メキシコの焼き場の火力はものすごく強いので
日本のように骨など全然残らず
灰になるんだそうです。

日本だと、遺灰を海に流したいときは
焼き場で受け取った遺骨を
砕いてもらうサービスを受け、
それをもって、許可のある場所で
海に流さなければいけません。

でも、メキシコでは
焼き場で受け取るのがすでに遺灰なので
そのまま海に流せるようです。

勝手に海にまいていいのかとオーナーにきいたら
もちろん!と言っていたので
日本のような規則はないようです。。。


私はオーナーの代わりにお留守番で
お葬式にはいかなかったのですが

ドクトールの悲しみが
オーナーの話から痛いほど伝わってきました。

私の場合は
家族に何かあったときにお願いできる
ネクストクリニックがあるので
なにはともあれ、安心です♪

少なくとも、
大切な家族の有事に「何もできなかった・・・」っていう言葉は
使いたくない。。。

だから、備えよ常に!って
大切だと思います。




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