2016年3月26日土曜日

ちょっと悔しい。。。。

シャンバラプチホテルでは
昨年より、ランチ、ディナーのすべての食事を
グルテンフリー、デイリーフリーにしています。

つまり、小麦粉は一切使わず
牛乳、チーズなども一切使わないわけです。


料理関係はなんとかなるとしても
問題は、デザート。


グルテンフリー・デイリーフリーにしてからは
デザートのほとんどがシャーベットでしたが
それではつまらない。。。ということで

いろいろ試行錯誤が繰り返されました。


そして、
ケーキ作りが趣味の私にも依頼がきたので
私自身も調べて
いろんなものを試しました。


そうして、
メニューになったのが
ニンジン&ココナツスパイスケーキでした。



すでに何度かお客様にお出しし
お客様からは大変喜ばれていたのですが
昨日、オーナーから


「これはやめる」


と言われてしまいました。


なぜかというと
焼き上がりが安定しないからです。



ケーキ作りが専門でないシェフたちは
ケーキを作るときに必要な
最低限の知識すら
身につけていません。


私が作り方を教えても
勝手に手順を変えてしまったりするのです。



料理であれば
多少の順序の入れ子は許容できます。


でもケーキの場合
ちょっと間違えると
全く膨らまなくなったり
脂っこくなったり、
固くなったりします。


何度も根気強く教えたのですが
どうしても、重要性を理解してもらえず・・・・



オーナーから
今日はお前が全部作って
誰にも手伝わさせるな・・・と言われました。



なので、料理人たちを前に
説明しながら
全部私が一人で作って見せました。


なので
絶対に上手に焼きあがるはずだったのです。



が、しかし。。。。。


オーブンに入れて安心した私は、
焼き上がり時間に来ればいいと思い、
その場を離れてしまったのです。



そして起きた悲劇は
なんと、焼いている間に何度もオーブンをあけられていたということ。笑


ケーキ焼いている間に
オーブンを開けるなんて
そんなアホなことはしないだとうと思い込んでいたのですが
どうやら、彼らはいつもそれをやっていたようです。笑



もう、その時点で
基本的な認識が違っていた。。。。



これじゃあ、うまく焼けるわけがないですね。。。


どんなに材料の混ぜ方を
順番通りに教えたって、
これをやっちゃったら、元の子もない。



結果的に、ケーキはうまく焼きあがらず
オーナーに


「お前が作って、この仕上がりだったら
他の人間に作れるわけがない。
二度とこのケーキは出さない」


と言われてしまいました。


いや、今日は、ちょっと事故があって。。。
とは言ってみたものの
オーナーは聞く耳を持たず。


そりゃそうです。
どんな経過があったとはいえ
結果がすべて。


今日、お客様にお出しできるケーキを
作れなかった・・・
その事実は変わりません。



だけど、悔しい。。。すごく悔しい。。。。


何度も何度も夜中に試行錯誤して
何度も何度も上手にできる方法を考えて
シェフたちの、学ばない態度に何度もブチ切れながら
それでもなんとか形になってきたケーキだったのに


今日のこの失敗で
あっけなく、メニューから
デリートされてしまった。。。


努力が水の泡になった気がして
あまりにも悔しくて、夜寝られないぐらいでした。


でも、夜中にいろいろ考え


どんなに悔しくても
自分がこの現実を引き起こしたのだから
何か意味があるはず。。。と思いました。


そして、このケーキが
メニューからデリートされたことにおけるメリットを考えると・・・・


いっぱいある!!!


なにより、ストレスが減る!!!笑




実際には、
このケーキのレシピをシェフたちに教え始めてから
シェフたちとの摩擦が増えていたんです。


ケーキ作りを教えるという役割がなくなったら
かなりストレスが減りますし
シェフたちも、私の指摘に
いちいちムカツクことはなくなるでしょう。笑


オーナーに毎週毎週
「なんで、今日はうまく焼きあがらなかったんだ?」って
理由を聞かれて、
事情聴取して、原因を探る必要もなくなるし。。。


なんだかんだで
丸く収まったのかも。。。と思いました。



オーナーが
気軽に「なんか考えて」といったのを
私が重く受け止めすぎて
まじめにやりすぎて
勝手に重く頑張っていたんだな~というのも実感。


オーナーに頼まれたことを
やりすぎるほどやりすぎて
却下/否定されることが多く、
そのたびに、
「なんだよ、言われたからやったのに!」と反発することが多いのですが


その、やり方が
オーナーの言う温度感と方向性とは
全く違っているということに
気が付かないというのが問題でした。


本当にオーナーが欲していることは何なのか、
自分で勝手に
「きっとこうだろう!」と思わず
ちゃんと、意図をくみ取らないと。。。と
改めて、感じたケーキ事件でした。


せっかく、おいしいケーキだったのに残念!


重くならない程度に、また何か考えようっと♪