2016年4月15日金曜日

朝食を売る三輪車

当ホテルのキッチンは
トゥルムの海岸通りに面しており

外に何の車が止まったかとか
誰が来たかが見えるようになっています。


なので、パンやタコスなどを売る行商たちが通るのも
良く見える(聞こえる)ので
欲しいものがあるときは声をかけて止まってもらいます。


基本的に
シャンバラのスタッフたちには
ホテルでのまかないがあるので
行商から何かを買うことはほとんどありません。


でも、最近になって
お料理担当のスタッフTが
朝ごはんをよく行商から買うようになりました。


もちろん、自分のお小遣いで、自分の分を買い
他のスタッフには、
ホテルのまかないを準備します。


スタッフTはここ三か月ぐらい
ずっとダイエットに励んでいたので
急に、タコスとかエンパナーダとかを買うようになったので
とても不思議に思っていました。



そして、今日、
初めてTが行商から買っている場面に遭遇!!



こちらがホテルの前を通る三輪車。
パンって書いてありますが
売っているのはパンじゃありません。笑






毎日いろいろ日替わりらしいのですが
今日売っていたのは
タマレスとエンパナーダ。
お皿に載せているのがエンパナーダで、
タマレスは箱の中に入っている
バナナの葉に包まれたものです。







エンパナーダというのは
餃子みたいな感じの食べ物で、
トウモロコシでつくったトルティーヤの生地の中に
お肉などを挟んで閉じ、揚げたものです。
トッピングは、キャベツの刻んだものと
トマト&唐辛子ソース






こちらがタマレス♪
今日は、卵とチャヤが入ったもの。

タマレスはいわゆるトウモロコシ蒸しパンで
雰囲気としてはちまきに似ています。

鶏肉や野菜などを入れて
いろんな味付けをします。






Tに、なんで最近この三輪車から買うの?ときいたら
田舎から出てきた妹が作っているらしい。笑


売り子とTが似ているな~と思ってはいたんですが
まさか本当に姉妹だったとは!


この妹さんは、
Tの実家があるユカタンの村に住んでいたのですが
ご主人からの家庭内暴力があまりにもひどく
子供たちを連れて、トゥルムにやってきたんだそうです。


お料理上手だった彼女は
三輪車を手に入れ、
今では、これで生計を立てているとのこと。


お姉さんであるTは
大変な目に合った彼女を
なんとか励まそうと、
応援しているのだそうです。



まあ、メキシコでは
家庭内暴力はよくある話ですが
逃げてこられただけでも、
本当によかったと思います。


たいていの場合は
逃げることすらできないので。。。


Tの兄弟は12人もいるのですが
そのうちの2人が、昨年、ほぼ同時に糖尿病で亡くなり
10人になってしまったとのこと。


兄弟の結束は固く、
何かあると、すぐに助け合っているようで、
みていてとてもほほえましいです。


ちなみに、Tは結婚もしておらず子供もいないのですが
なんと甥と姪が、全部で50人いるそうです。笑


日本では最近見られない大家族ですが
これも、メキシコでは普通。。。


しかもTは12人兄弟の
末っ子の方なので
なんと、甥や姪の方が年上だったりするんですね。笑


いつも、家族の話を聞くとき
年齢がごちゃごちゃでややこしいんですが
これもメキシコでは普通のこと。


彼女の話を聞くと、
毎月の誕生日会だけでも、大変な騒ぎで
いつも忙しそうにしています。笑


私は親戚が極端に少ない家に育ったので
にぎやかな家族は
なんだかちょっとうらやましい気もしますけど♪