2016年11月28日月曜日

11年働いたスタッフの突然の辞職。。。

11年間、シャンバラで働いてくれていたスタッフのP君が
突然の辞職宣言。。。。


シャンバラのことを知り尽くし
この時期、ホテルが
どれだけ忙しくなるのかを知りながら、
突然辞めるとと言い出したのです。


しかもそれを言い出したのは
ほんの二週間前のこと。


もちろん、前兆はありました。

オーナーは
知らなかったかもしれないけれど
時折、キッチンでスタッフ同士が話しているのを
盗み聞きしていると

友人からもっと給料のいい仕事のオファーがあったというのを
何度も言っていたからです。


その度に面接に行っていたようですが
彼は車の免許がないので
それを理由に、断られていたのです。


でも
今回はどうやらいい仕事が見つかったようで
(これは私の推測でしかありませんが)
急にホテルをやめると言い出したのです。


友達がいい仕事を紹介してくれたとか
面接に行ったとか
そういう話は、ときどき私にも直接してくれるのですが

今回の辞めるという話は
オーナー以外には
誰にも話さなかったようです。


昨日が最終日だったのですが
誰一人として
本人から
「●日にやめるから、あとをよろしく」といった言葉は
聞いたことが無く、
仕事の引継ぎすらありませんでした。笑



普通は自分がやめた後
他のスタッフが困らないように
引き継ぎぐらいはするでしょうに。。。笑


本当に意味が分かりません。笑



私自身は、オーナーから
今、P君がオフィスに来て辞めるといった。。。
という話を聞かされて
そのことを知りました。


オーナーには、
旅に出たいから仕事を辞めたいといったそうです。


11年も一緒にいた彼ですから
旅に出たいって、それだけの理由で
辞めるとは信じられず、

他に事情があるんだろうと思って
オーナーはいろいろ聞き出したらしいのです。


でもP君の主張は一貫して変わらず。。。


一番忙しい時期に
自分は旅に出たいけど
休暇はもらえないと思うから
辞めたい。。。


と言ったそうです。


なんでこんな時期に旅??
旅なんていつでもできるんじゃ?

と思うかもしれませんが

実は、彼が参加したいといっている旅は
一年に一度、この時期にしか行われない
グアダルーペの聖母の巡礼なのです。


メキシコには
グアダルーペの聖母と呼ばれる
ちょっと肌の色の濃いマリア像があります。


メキシコでもっとも有名な女性と言われるのが
この聖母。
(ちなみに二番目は、フリーダ・カーロだそうです。笑)


歴史によれば
1531年12月8日、
キリスト教に改宗した原住民のフアン・ディエゴの前に
聖母が現れてメッセージを送ったとのこと。


その後、この聖母の出現はカトリック教会公認となり、
メキシコでは非常に強く信仰されるようになったのです。


そのグアダルーペが
実はトゥルムにも分家?みたいな形で存在します。


かつてスペインに支配されていた国では
それぞれの街の教会に、祭られている聖人がいて
町ごとに違うわけですが
トゥルムの聖人は、グアダルーペの聖母なんですね。


なので、グアダルーペの聖母の祝日である
12月12日は
盛大にお祝いされるわけです。


トゥルムの街では、神輿に担がれたマリアが
町中を練り歩きます。


トゥルム自体にも
マリア像があるわけですが
しかし、信仰深い人たちにとっては
やはり、メキシコシティにある本尊を拝みたいわけです。

したがって
12月12日に、本尊のところに到着するべく
毎年巡礼隊が結成されます。


本来は歩いて行ったのでしょうが
トゥルムからは毎年、
自転車で巡礼をするグループが出発します。


そしてP君は、
どうしてもそれに参加したいというのです。
(P君は自転車が大好き!)


11年間、一度も参加できなかったので
どうしても一生に一回は参加したいと。。。。


約15日間かけて
トゥルムからグアダルーペのマリアまで
自転車で走っていくといいう巡礼。。。


往復で約一か月かかるわけです。


で、P君は、
それが理由だとオーナーに言ったわけですが
それだけが理由なら、
休暇をもらえばいいわけで
シャンバラをやめることはないだろう。。。と
P君にせまったそうです。


でも、彼のやめる意志は固く、
結局、
それ以上の理由は引き出せなかったと。。。


いろんな推測が出来ますけれど
P君の心の中は
よくわかりません。。。


彼がよく口にしていたのは、

11年間働いてきたのに
劇的に待遇がよくなったわけでもなく
仕事内容が変わったわけでもなく
毎日毎日同じことの繰り返しで
新しく学べることが何もない。。。

ということでした。


でも、私から見ると、
P君の待遇は破格だったと思います。

得ているものはすぐに当たり前だと勘違いし
ないものばっかりにフォーカスするのが
メキシコ人なので、
きっと、どれだけ恵まれていたかは
後から気付くのかもしれませんけど。。。



それに、シャンバラでは
常に新しい技術が導入されるので
いろんなことが学べます。


とくに働いている人が少ないので
なにからなにまで自分たちでやらなければいけませんから


学ぼうと思ったら
本当に広範囲のことを学べるわけです。


それこそ、湯沸かし器の構造から
ガスコンロの構造から
発電機の構造まで。。。

またペンキ塗りとか
セメント塗り、配線、配管・・・なんかもしますので
自分の家だって作れるようになっちゃいます。


なので、
学ぶことが無いっていうのは
彼の言い訳に過ぎないのでしょう。


最後まで、私にも「やめる」とは言わなかったので
本心は全く分かりません。

たとえ聞いても、
あとでオーナーにばれるのがイヤだから
私には話さないかもしれませんけど。笑


オーナーは
ものすごく寂しかったと思いますが
それは見せずに

「馬鹿だよな~あいつは。。。」と言っていました。

でも、何気に
もしかしたら給料か?とか考えたらしく
他のホテルに従業員の給料を問い合わせたらしいです(笑)

結果的に、他と比べても
全くそん色ない金額を渡していることがわかり
ホっとしたようです。


が、


給料じゃないなら
なんだったんだ???と
やっぱり非常に不思議に思っているようです。



オーナーは
最終日にスタッフ全員と昼食会をしようと提案し
そのあと、
P君に車をプレゼントしていました
(P君は、車恐怖症で運転できない性格なのに。。。笑)


オーナーは
一か月の巡礼の旅のあと
もしかしたら戻ってくるんじゃ?なんて
期待はしているみたいですけれど


結構プライドの高いP君なので
ちょっとやそっとのことでは
復帰なんてありえないような。。。


とはいえ、
メキシコ人の行動は全く予測できませんので
もしかしたら?という希望は
捨てないでおきたいと思います。


なにはともあれ
P君の念願の旅が
素晴らしいものになりますように。。。





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