2015年6月10日水曜日

ウミガメシーズン@トゥルムビーチ

トゥルム周辺のビーチには
ウミガメが産卵にやってきます。

ウミガメって、
ものすごく大きいです。


1メートル~1.5メートルぐらいあります。


のっしのっしと海から上がってきて、
一番いい場所を探して
穴を掘り、そして、しっかり穴をふさいでから
海へと帰っていきます。


今、ちょうどシーズンで
毎晩、かなりの数のウミガメを見ることが出来ます。


昨年は、シャンバラホテルの前にウミガメが来ることは
ほとんど無かったのですが
今年は、当たり年?らしくて
頻繁に、ホテルの前のビーチにやってきます。


昨日も、夜のセキュリティ担当のイスラエル君が


「亀が来たよ!!!」と起こしに来たので
走って行きました。


トゥルムのビーチに来るウミガメには
大きく分けて三種類あります。


最も多く産卵にやってくるのが
「アオウミガメ」で、スペイン語ではトルゥーガブランカ(Tortuga Blanca)
このトルトゥーガ・ブランカは、白亀という意味で
日本語のアオウミガメとは全然違うところが面白いですね。

で、このアオウミガメは甲羅がとっても大きくて
1メートルから1.5メートルぐらいあります。
産卵にやってくる亀の中で、最も甲羅が大きいです。

その甲羅に比較して、頭が小さいという特徴があります。
全体的に甲羅は黒っぽいのですが、他の亀に比べると
少し白っぽいので、白亀と呼ばれているらしいです。


その次に多くやってくるのが
「アカウミガメ」スペイン語ではカワマ(Caguama)といいます。
アオウミガメに比べると若干小さくて、甲羅が黒っぽく見えます。
そして、アオウミガメとちがって、頭が大きい!
これで、頭の大きさで、アオウミガメとアカウミガメの違いを
区別できます。


もう一つの亀が、タイマイ。スペイン語ではカレイ(Carey)
タイマイは甲羅が美しく、いわゆる亀甲のアクセサリーなどに
使われます。
このため、乱獲され、今では数が少なくなってしまいました。
なので、タイマイの産卵は大変慎重に扱われます。
私も、いまだにタイマイの産卵には立ち会ったことがありません。


そして、
昨日、ホテル近辺の陸に上がってきたのは
アカウミガメとアオウミガメ、それぞれ一匹ずつで2匹。


両方とも、ハアハアいいながら
のっしり、のっしり陸に上がってきて、
産卵場所を探します。

一つの場所に行っては
「ここじゃない」と戻り

又次の場所に行っては
「ちがう。。。」と。


何度も移動した後、
「ここ?」と思ったところで
手足を使って掘り始めます。


最初に見ていたアオウミガメは
かなり内陸の方にまであがってきて
1時間ぐらい徘徊し、
最初の場所を決めました。


場所を決めた亀がすることは
大きな前足を使って、ばっさばっさと砂を避けていくこと。


亀の体がどんどん穴の中に沈んでいきます。


そして、ほとんど体が埋まる状態になると
今度は、後ろ足を使って
直径20センチほどの穴を、
まるでトイレを掘るみたいに
お尻の位置の下に掘り始めます。

亀は穴を見ていません。
足探り?感覚だけ?で、
ひたすら掘ります。




↑赤外線ランプで照らしてもらったので、
フラッシュなしで撮影してみました。
亀のお尻だけが見えています。
頭は穴にすっぽり入っています。
小さく見えますが、1.2メートルぐらいの大きな亀です。








しばらく見ていると、
卵を産み落としたワケでもないのに、
いきなり亀が穴からのっしりのっしりと出てきました。


どうしたんだろう?と思ったら
夜中パトロールしている
ウミガメレンジャーがやってきて


「ああ、ココは、根っこが多すぎて
これ以上深く掘れなかったんだ。。。
だから別の場所を探すんだよ」


と教えてくれました。




そして、そのアオウミガメは
再び、別の場所を探して徘徊を始めました。


そうこうしているうちに
アカウミガメの方が、
ビーチで場所を見つけ、穴を掘り始めました。


前足を使って
勢いよくすなをはね飛ばし、
穴を掘っていきます。

そして、後ろ足だけで
まるでドリルで、穴を開けるみたいに
直径20センチほどの円柱形の穴を
まっすぐに掘っていきます。


しかし。。。。


いきなり作業がとまり、
このアカウミガメも
穴から出て、また歩き始めました。


どうしたんだろう?と思って、
ホテルのスタッフが穴に降りてみると

なんと、穴の底に海藻が。。。。


↑ホテルのスタッフが
「海藻で穴の底が埋まってる!」と
教えてくれました。




なんと悲しいことに、
我々がビーチの砂浜に埋めてきた海藻が
ウミガメたちの産卵に大きな影響を与えているのです。


海藻はしめっています。
だから、そこに卵を産み落とすと
湿気で腐ってしまう可能性が高いのです。


したがって、
海藻が埋まっているビーチに
亀は卵を産み落とすことが出来ません。


あんなに労力を使って
ハアハアいいながら穴を掘ったというのに
私たちが「景観のため。。。」と
埋めてきた海藻にぶつかってしまう。。。。


まさか、こんな形で
ウミガメたちの邪魔をするとは思ってもおらず、
とてもショックでした。


結局、このアカウミガメは
2カ所掘って、2カ所とも海藻にぶち当たってしまい、
三度目の正直で
やっと卵を産み落とすことが出来ました。


3度目の穴掘りは、
本当に辛そうで、大変そうで
疲れ切っていていました。

でも周りの人間は
何もしてあげられません。
ただ、がんばれ!と応援するだけ。


産卵を終えたアオウミガメは、
ホットしたように、海へと戻っていきました。

さすがに、いくら、亀が産卵を終えたとは言え
フラッシュをたいて、この亀の写真を撮ろうとは思えませんでした。


最後まで、ストレスなく、海に帰って欲しい。。。
それだけを望みました。



そして・・・・・

内陸まで入り込んだアオウミガメの方も
2つめの穴で、またもや根っこにぶつかってしまい断念。
3箇所目を探して、ひたすら徘徊を続け
3カ所目で卵を産み落とすことが出来ました。


この亀は、徘徊時間が本当に長すぎて
三カ所目のときは、完全に消耗しきっており
このまま、果ててしまうのではないかと思っていましたが

なんとか穴を掘りきりました。


卵を産むため
卵がきちんと成長するため、
そして、子亀が孵化したときに
簡単に、安全に、海に帰れるように。。。


最適の場所を選んで、
ひたすらひたすら穴を掘り続ける亀たち。


涙なしには見られませんでした。

「もうここでいいじゃん!ココで産もうよ!」と
思わず声をかけたくなるほどの大変な作業。



でも、絶対妥協しないで
最後まで最適な場所を探し続ける母亀。


とてもとても感動的でした。


卵に砂をかける後ろ足は
もう、クタクタに疲れている様子でしたが
丁寧に、丁寧にフタをし、
海へと去って行きました。



↑卵を産み落とした場所。
クレーターのように大きな穴が開いていて
しかも、トラクターが海に向けて走って行ったみたいに
跡が残るので、わかりやすい。





今日から二ヶ月後
孵化した卵から、子亀たちが出てくるのが
楽しみです。


出来ることなら、
お母さん亀がどんな思いで
あなたたちを産んだのか、
教えてあげたいです。。。





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