2015年10月5日月曜日

メキシコ人の味覚

前にも書いたと思いますが
メキシコ人の味覚は
日本人とは違います。


当たり前ですけど。


とくに、私が住んでいるところは田舎なので
非常に保守的です。


ホテルのオーナーは
もともとがメキシコシティ出身で
中学からスイスやフランスに留学していた人なので
いろんな国の料理を
平気で食べますが


その彼でも、NGなものがあります。


それが、生っぽいトロットした卵と
ジューシーな肉。。。。



メキシコ人にとって
スクランブルエッグとは
カラカラ・チリチリになるまで
良く焼いて小さくつぶしたもの。


日本でいう、卵のそぼろですが
もっともっとポロポロになるまで
細かくしたものです。



※こちらが玉ねぎ、トマトのみじん切り。。。などとともに
スクランブルエッグを作っているところ。







※日本でいうと、オムレツのボソボソ版?ってかんじですね?
具を何もいれないスクランブルエッグは嫌われます。笑








先日、
ご宿泊のアメリカ人が
メキシコスタイルではないスクランブルエッグをご所望だったので
私が作ったところ
生っぽくて、気持ちが悪い~と
みんなが不思議そうにのぞき込んでいました。笑


これがおいしいのにな~。


「きっとおいしさを知らないだけなんだ」と思って
一度はみんなにふるまったのですが
誰も手を付けてくれませんでした。笑



そしてもう一つの謎が
ジューシーな肉が嫌いということ。


日本だったら
とんかつでも鶏カツでも
グリルでも、
肉汁がジュワーっと出てくる
ジューシーでやわらかいものがおいしいとされますが

こちらでは絶対にNG.


町で売っている鶏肉のグリル
(ポーヨアサード Pollo Asado)は、
日本でいうと、焼き鳥みたいに一般的なテイクアウト料理ですが
カリカリパサパサになるまで焼かれています。


ペルーにも、
鶏肉を丸ごと炭火焼きする
「ポーヨ・ア・ラ・ブラサ Pollo a la brasa」という料理がありますが
ジューシーでスパイシーでとってもおいしいのです。
日本人にも絶対に受け入れられる味!


※こちらはペルーの代表料理
ポーヨアラブラサ!
炭火で焼くポーヨは
とってもおいしいです!!!






最初にメキシコにきたとき
ポーヨ・アサードは、ペルーのポーヨ・ア・ラ・ブラサと
同じような料理かと思いましたが
全然ちがいます。


ペルーのは鶏肉を開かずに
そのまま丸ごと焼くのでジューシーなのですが
メキシコのは丸ごととはいえ、開いてしまうので
焼いた後、パッサパッサになります。


スパイスでマリネしてから焼くのは
同じなのですが
焼き方と焼き加減が
全然違うので、
全く別物。。。


決してまずくはないですけど
ペルーのポーヨほどの感動はありません。


そして、極め付けともいえるのが
普段の食事での
鶏肉の扱い方。


鶏肉を焼く料理なのに
最初にゆでてしまうんです!!


それも、油を取るための下茹で~みたいな感じじゃなくて
がっつり、しっかりゆでてしまいます。


当然、肉のうまみはすべてスープに。。。。


で、スープの中から
鶏肉だけを取り出して

「レカド Recado」というあの調合スパイスでマリネし、
それをさらに焼くのです。。。



今回はレカド・ロッホ(Recado rojo)という
アチョーテが入った赤いレカドを使ってマリネしています。
タンドリーチキンみたいな感じです。。。












ぱっさぱさにゆであがり
ゆで汁の中に味が全部出てしまった鶏肉の味を補うために
スパイスを刷り込み(笑)
それをさらにパッサパサになるまで焼くわけです。




そして、鶏肉をゆでた後のスープは
カルド・デ・ポーヨ(Cardo de Pollo)という鶏がらスープとして
活用します。



スープの中に、
ニンジンやらジャガイモやら
かぼちゃやらを入れでゆでている間に


アルミホイルに
トマト、チレ・ドゥルセ(Chile Dulce)、チレ・チラカ(Chile chilaca)を包み込み
直火焼きします。


焼きあがったのがこの状態。
一番左の緑色のものが
チレ・ドゥルセ。
これはピーマンみたいな感じで
辛みは全くありません。

そして真ん中の白っぽいのが
チレ・チラカ。こちらも辛みはありません。
こうやって焼いたのを
細かく切って、
ぐつぐつしているスープの中に投入します。







これらの食材は
生の状態からスープにいれてもおいしくなくて
直火で焼くとうまみが凝縮し
スープにいい味を与えてくれるんだそうです。


そうでしょう?
野菜をこうやって焼く技術があるなら、
肉もこうしようよ!!!(笑)
なんで肉はゆでちゃうの~????




というわけで出来上がったお料理が
野菜スープとパサパサ焼き鳥。



見た目はおいしそうにみえるんですけど
肉を食べてみるとパサパサなんですよ~
でも、彼らはこれがいいんですって!








ちなみにこのスープと鶏肉も
もちろん、トルティーヤで食べます!

鶏肉は、これでもか?っていうぐらい小さくちぎって
スープに浸し、
それをちっちゃくちぎったトルティーヤに包みます。


味覚の違いって、
本当に面白いですよね~。



ちなみに、昨日
古くからいるスタッフに

「前に作ってくれた酢鶏がおいしかったから
また作って~
新しい人たち、まだ食べたことないから!」

とおねだりされて、作ってみたところ
彼女以外は誰も食べない・・・という結果に!笑


田舎から出てきたばかりの子にとっては
甘酸っぱい外国の料理は
ものすごく不思議な味に感じたようです。笑


前にここにいたスタッフたちは全員大好きで
何度も作らされたのですが
新人さんたちの口には合わなかったようです。。。



ちなみに、あとから聞いたら
トゥルムにある中華料理屋の酢鶏とちがって
真っ赤に染まってなかったから
ホンモノじゃないと思ったそうです。笑


なんじゃそりゃ!?

市販のケチャップとかは使わず、
ナチュラルなものだけでつくったから
味が足りなかったのかな~笑



食事だけでも、いろいろ学ぶことがおおいです。。。。


そうそう、ちょっとうれしかったというか
ほほえましかったのは

新人の20歳の女の子が
本当は味が口に合わなかったのに


「風邪のひきはじめで、味がよくわからなかったの」と
やさしい言い訳をしてくれました。笑


今までにはいないタイプのスタッフ!
大事にしなくっちゃ!笑


10人分作った酢鶏は大量に残ったので
私に作ってと依頼した古いスタッフが
全部、家に持って帰りました。笑
彼女の家族は、気に入ってくれるといいんだけど・・・





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