ヨーガの基本的な経典である
「ヨーガ・スートラ」で明らかにされているのが
ヨーガ派と呼ばれる哲学です。
これが、ヨーガの実践がなぜ解脱に結びつくのかを説明する
根本的な哲学になっています。
ヨーガ派は「プルシャ(精神原理)」と「プラクリティ(物質原理)」の
二元論を唱えるサーンキヤ派がベースになっており、
唯一の違いは、最高神を認めるかどうかであるといわれています。
(ここでいう最高神とは創造主ではなく、
「教師の教師」とも言える存在です)
この宇宙には「プルシャ(精神原理)」と
「プラクリティ(物質原理)」という二つの実在があり、
「プルシャ」は純質で、永遠不滅・不変の実在です。
これに対し「プラクリティ」は、
この宇宙に存在するものの根元であり、
これが「展開」することで、
「覚」「自我」「意識」「五感覚器官(鼻・舌・目・皮膚・耳)」、
「五運動器官(生殖・排泄・発声・足・手)」
「五唯(香・味・色彩・可能性・音声)」、
「五大(空・風・火・地・水)」
の要素が生まれるのです。
そしてこれらの要素がこの宇宙にある万物を作り出します。
<サーンキヤ派における25原理の相関関係>
「プルシャ(精神原理)」(永遠に不滅、不変)
「プラクリティ(物質原理)」(展開するもの)
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-【ブッティ(覚・心)】
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【アハンカーラ(自我】
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―【マナス(意)】
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| |―【五感覚器官】(鼻・舌・目・皮膚・耳)
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| |―【五運動器官】(生殖・排泄・発声・足・手)
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―【五唯(タンマートラ)】(香・味・色彩・可能性・音声)
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―【五大(マハーブータ)】(空・風・火・地・水)
私たちの身体も意識も、
全ては「プラクリティ」が展開したものですから、
それを制御、止抑することで、
元の「展開していないプラクリティ」の状態に戻すことできます。
このときに、
自分の本質が「プルシャ」という
永遠不滅・不変の純質な存在であり、
「プラクリティ」の展開をただ「観て」いることを知り、
輪廻転生の必要がなくなります。
これが「解脱」の状態です。
ヨーガにおける瞑想、坐法、呼吸法、修行方法等は、
「いかに肉体を制御し、
心の動き止めてプラクリティに戻し、
プルシャを悟るか」を追究した
「解脱のための実践」
なのです。
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