2015年11月30日月曜日

ちょっと真面目にヨガ その3 理論2 「ヨーガ派哲学」

●ヨーガ派哲学

ヨーガの基本的な経典である
「ヨーガ・スートラ」で明らかにされているのが
ヨーガ派と呼ばれる哲学です。

これが、ヨーガの実践がなぜ解脱に結びつくのかを説明する
根本的な哲学になっています。

ヨーガ派は「プルシャ(精神原理)」と「プラクリティ(物質原理)」の
二元論を唱えるサーンキヤ派がベースになっており、
唯一の違いは、最高神を認めるかどうかであるといわれています。

(ここでいう最高神とは創造主ではなく、
「教師の教師」とも言える存在です)

この宇宙には「プルシャ(精神原理)」と
「プラクリティ(物質原理)」という二つの実在があり、
「プルシャ」は純質で、永遠不滅・不変の実在です。

これに対し「プラクリティ」は、
この宇宙に存在するものの根元であり、
これが「展開」することで、

「覚」「自我」「意識」「五感覚器官(鼻・舌・目・皮膚・耳)」、
「五運動器官(生殖・排泄・発声・足・手)」
「五唯(香・味・色彩・可能性・音声)」、
「五大(空・風・火・地・水)」


の要素が生まれるのです。
そしてこれらの要素がこの宇宙にある万物を作り出します。



<サーンキヤ派における25原理の相関関係>


「プルシャ(精神原理)」(永遠に不滅、不変)


「プラクリティ(物質原理)」(展開するもの)
    
    |
     -【ブッティ(覚・心)】
       
         |

      【アハンカーラ(自我】

         |
          ―【マナス(意)】
                  |     |
                  |     |―【五感覚器官】(鼻・舌・目・皮膚・耳)
            |     
                  |     |―【五運動器官】(生殖・排泄・発声・足・手)
                  |
                  |
                  |
                  |
           ―【五唯(タンマートラ)】(香・味・色彩・可能性・音声)
           |  
                    ―【五大(マハーブータ)】(空・風・火・地・水)



私たちの身体も意識も、
全ては「プラクリティ」が展開したものですから、
それを制御、止抑することで、
元の「展開していないプラクリティ」の状態に戻すことできます。

このときに、
自分の本質が「プルシャ」という
永遠不滅・不変の純質な存在であり、
「プラクリティ」の展開をただ「観て」いることを知り、
輪廻転生の必要がなくなります。

これが「解脱」の状態です。


ヨーガにおける瞑想、坐法、呼吸法、修行方法等は、

「いかに肉体を制御し、
心の動き止めてプラクリティに戻し、
プルシャを悟るか」を追究した


「解脱のための実践」


なのです。





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