2015年11月6日金曜日

気分屋の上司と働く方法

私は日本にいたときから
とっても個性的な上司と働くことが多かったのですが
今、働いているホテルの上司も
ものすごーーーーく、個性的な人です。



プライベートライフが謎に包まれていることや
秘密主義なのも個性的ですが


とにかく、
すべてが思いつきですべてが直観的なのです。


昨日言ったことはもう忘れて
今日は全然違うことを思いついちゃう。。。みたいな。笑


たとえば、朝、出勤してきて
「今日は、この仕事と、この仕事とこの仕事をやっとけ!」と指示され
それをやっていると、


数時間後には


「お前、何してるんだ?
そんなのいいから、こっちをやれ!」と言われたりします。


その時に
「いや、朝言われたからとりあえずこれを終わらせます。。。」
なんて言い返そうものなら
大変なことになります。笑



ランチに鶏肉のタコスが食べたいといわれ
みんなで準備していると
何も言わずにフラっといなくなって、
他の場所で食事を済ませてきたり。。。


そういうことが日常茶飯事なので
ベテランスタッフは慣れたもので
決して彼に言い返したりはしません。笑


でも、頭の固い私は
ついつい、文句を言ってしまいます。


そもそも、上司に文句を言う。。。ってこと自体が
従業員としては失格で
己を知らない馬鹿な行為なのですけれど


オーナーが何かと私に意見を求めてきたり
対等に扱ってくれたりするので
ついつい、勘違いをしてしまうのです。



はっきりいって、
どんな仕事でも、組織の中で働いていれば
納得がいかない場面に出くわすものです。


とくに、うちのオーナーみたいに気分屋さんだと
その都度指示が変わって翻弄されます。



でも、裏を返せば
彼は、人を翻弄したくて指示を変えているわけではなく

より良いものを目指して、
よりお客様に喜んでもらえるホテルづくりをするために
毎瞬、毎瞬、いろんなことを考えているわけなので


さっき思いついたことよりも、
もっといいことをひらめいたら
変えざるを得ないわけです。


とくに、うちのオーナーはとても直感的で
考えつくして何かをする。。。というよりは


「あ!こうしたらいいのか!」と急に思いついたり
ひらめいたりするので
「気分屋」に見えるのですが


実際には、ずっとそこにフォーカスしていて
いきなり情報がやってきて
「これだ!!」とひらめきを得ている感じです。



たとえば、
拡張したお部屋に何も置かれていない状態だったので


「ここには何を置きますか?」と聞くと


「まだ、ひらめかないんだ・・・。
ひらめくまではペンディング」


と言います。


自分が納得するひらめきがくるまで
たとえ何かが途中で、おかしな状態でも
絶対に手を付けようとしないところが
面白いです。


私からすると
お客様からみて不細工だから
とりあえず、何とかしようよ~と思うのですが

彼にとっては、そんなことは重要じゃないようです。笑


そんな状態なので、
彼のアシスタントとして働いて
一年以上もった人は今までいないらしく
ほとんどの人が、耐えられずにけんかをして
出て行ってしまうそうです。


つい最近、ここにきて一年半がたったのですが
従業員みんなに


「よくもったね~ 1年以上続いた人は初めてだよ」
と言われました。笑


確かに、「自分の考えが正しい」という立場に立てば
彼の言っていることは
私には理解できないことばかりです。


だけど、なんで相手がそういうのかを
理解しようとしたら
「なるほど!それは思いつかなかった」
ということの連続。


そもそも、私は、これまでの人生、
そうやって、「自分が正しい」を押し通して
人の言うことや考えを理解しようとせず
いろんな摩擦を作り出してきました。


だから、今回こそは、
すぐに自分のものさしに当てはめて
「それはおかしい」と切り捨てるのではなくて、


どうしてそういう考えになるのか?
なぜそんなことをいうのか?を
相手の立場でとらえて
理解できるようになりたいと思っているのです。


実際、ジャングルに住むにあたっては
独自の生活の知恵がたくさんあります。

そんな面倒くさいことするぐらいなら
こうしたらいいのに。。。。と
合理的に考えて何かをしても
決してうまくいかなかったりします。


何年も住んでみて、
培われてきた技術なのですから
自分の意見は白紙にして
一度はそれをやってみる。


実際にやってみて
それでも問題を感じるのであれば
違う方法を提案してみる。。。


そうやって、柔軟に生きてみたいと思っています。


全く違う文化の中で
自分の価値観を捨てて
新しい角度から物事を見る訓練ができるのは
有難い経験だな~と思います。


結局、うちの「オーナーは気分屋」という判断は
私の考え、私の価値観、私の固定観念からくるものであって

彼自身は、自分が気分屋だなんて
全然思ってないわけです。

なぜなら
彼なりに筋が通っているわけですから。。。


だから、彼なりの筋を理解したら
「なにそれ?」じゃなくて
「なるほど!」になるはず。

それは、上司だけじゃなくて
一緒に働いている従業員にも
同じことが言えます。


私からは理解できない行動をとることが多いのだけれど
でも、彼らのバックグラウンドを知り、
教育の程度や人間関係や、金銭感覚、
道徳倫理、宗教観念を知ることで
なぜ、そうせざるを得ないのかを
理解することができます。


それを自分が良しとするかどうかは別として
相手も相手なりに
考えたうえでそれをやっているんだとわかれば
歩み寄りもできるし
説得もできます。

頭ごなしに
「それはおかしい」では、
何も進みませんから。。。。


こういうのって、
別に外国人との関係に限ったことではなくて
日本人同士でもあることだとは思いますが

外国にいると
理解できないことがとっても多いので
そういう意味で
自分の視野を広げるのには
とってもいい環境だと思っています。




にほんブログ村 海外生活ブログ メキシコ情報へ
にほんブログ村