2015年9月14日月曜日

伝言ゲーム その2

私が言ってもいないことを吹聴して
5年も務めたセニョーラを激怒させた

(と噂されている)
男性スタッフF君。


彼女を引き留めないまでも
今後、このようなことがないよう、

彼に直接話を聞きたかったのだが


私がその話を聞いたとき
彼は、ホテルに居なかった。



なぜかというと、彼には複雑な家庭の事情があって
実家に戻らなければいけなかったからだ。


彼の実家というのは
トゥルムからバスで6時間ぐらいかかるところにある
小さな村。


彼には奥さんと3歳になる息子がいて
出稼ぎでトゥルムに来ているのだ。



で、その息子というのが
先天性の病気で、
立つことも、歩くことも、話すこともできない。
寝たきりで、ただ手足が動かせるというだけ。


にこにこ笑ったりはするのだが
全く声が出せないのだという。

もちろん、自分で食べることもできず
流動食だ。



いろんな医者や呪術師にまで見てもらったそうだが
一向に原因がわからないらしい。


そういう息子だから
何かといろんな健康上の問題を引き起こし
これまでも、数回、実家に呼び出されていた。



そして・・・・
ついに、その息子が呼吸困難に襲われ
村から2時間ほどの距離にある
町の病院に担ぎ込まれた・・・という連絡が入った。


今度ばかりは本当にヤバイみたいだから
どうしても帰りたい!といい、
彼は、大急ぎで病院に行った。



病院についた彼からの連絡によると、
家族から連絡があった通り、
息子の状態は非常に悪く、
いつどうなってもおかしくないとのこと。


医者からは、
もう望みがないから覚悟するようにと
言われたらしい。


一体いつまで息子についていなければいけないか
皆目見当がつかないので
自分の仕事をカバーするために
弟をそっちに送る・・・と言ってきた。



そして。。。。


シャンバラには、彼の弟がやってきて
新しいスタッフとして働き始めたのだった。



息子に対しては、
輸血やら、気管切開手術やら
いろいろなことが試みられたらしいが
結局、
F君が病院に行って一週間もしないうちに
彼の息子は、旅立ってしまった。



享年三歳。



F君は文盲で、テキストが打てないので
音声メッセージで
泣きじゃくりながら、訃報を伝えてきた。



正直、なんと声をかけていいのか
わからなかった。



息子はF君に、ものすごくなついていて
彼の顔を見るだけで、笑顔になったという。

もう、かわいくてかわいくて仕方がないのに
治療費を稼ぐために
離れて暮らさなければならなかった。



そして旅立ち。。。。



F君にはお悔やみの言葉を伝え
いろいろな事務手続きなどが終わったら
いつでも帰ってくるようにと
連絡を入れた。


オーナーも、同じように音声メッセージを送った。




が、、、、、、、、、、、



いきなり、彼から、
怒り狂ったメッセージが到着した。



「なんで俺の首を切るんだ??
俺が弟を送ったのは
俺の仕事をカバーするためで
俺の仕事を取るためじゃない!!!!!!!!」




はあ?
どうしちゃったのいったい????



と思ったけれど
冷静に私は音声メッセージを送った



「誰がそんなこと言ったの?
誰もそんなこと言ってないでしょ?
息子さんのことが終わったら
戻ってきて、また働いてねって言ったでしょ?
オーナーもそういうメッセージを送ったし
私もそういっているでしょ?」


とメッセージを送ると



「そっちにいる弟とI君(彼と仲良しのスタッフ)が
弟が残ることになったから
俺はもう必要ないって言ってきたんだ・・・」



というのだ。




弟と、I君に確認したところ
弟は、携帯のクレジットがないから全く連絡できないと
携帯を見せてくれた。


そして、もう一人のI君は
弟がこのまま残ってここで仕事をしたがっているとは言ったけど
F君に帰ってくるなとは言ってないという。



やれやれ。。。。



正直なところ、誰が本当のことを言っているのかは
分からない。。。


F君が勝手に勘違いしたのかもしれないし
I君がからかって
お前なんかいらないってさ~みたいな
メキシコ特有のブラックジョークを言って
F君が本気にしたのかもしれない。。。



もしそんなジョークをこのタイミングでいうとしたら
本当に「空気読めない」としか言いようがないが、
メキシコ人ならあり得るから恐ろしい。笑



なんにせよ
彼らの会話は本当に危険だ。涙



「誰に何を言われても関係ないから
オーナーと私のメッセージだけ信じなさい。」


とメッセージして、とりあえずは一件落着・・・


といえば、一件落着なのだが
この、わけのわからない勘違いと被害妄想は
どうやって教育しなおしたらいいものか。。。。



スタッフの扱いというのは
本当に難しい。。。。


特に仲間同士がめちゃくちゃなことを話すから
もっとややこしい。。。。


でも、今回に限っては
怒りをぶつけるという形ではあっても
ちゃんと確認してくれたから
まだマシですね!
(って、それでいいのか?笑)



とりあえず、F君も
息子さんのことで、いろんな意味で
ナーバスになっているだろうから
戻ってきてから、
きちんと、いろいろ話そうと思う。



実際問題、小さい子供が亡くなる話は
そんなに珍しいことではない。



こういう難病のケースはそれほどないが、

デング熱とかそういった感染症で
子供を亡くしたことがある夫婦は
けっこうたくさんいる。



F君の場合は
これで二人目であり
夫婦の間に子供はいなくなってしまった。


そう考えると
出稼ぎの意味もなくなるのだが
それでもやっぱりトゥルムに戻ってきたいという。


子供との思い出のある家には
居られないのかもしれない。。。。



彼の胸中を思うと
とても切ない。




F君の息子さんの
ご冥福を祈ります。





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