2015年9月5日土曜日

カラクムル Calakmul

カラクムル(Calakmul)は、
世界遺産に登録されたマヤの遺跡でありながら
訪れる人がほとんどいないという秘境中の秘境です。



理由は、地の利が悪いということと
開発が進んでいないということと
修復が遅れているということ。



今は、グアテマラとメキシコ。。。と国が分かれてしまていますが
マヤの時代には、そういった国境はなかったわけで、
ティカルTIKAL(現在はグアテマラ共和国に位置する)
そしてカラクムルは、この地域の二大都市として
栄えていました。
全盛期にはティカルを征服し、
傘下に収めるほど
カラクムルは発展していました。


また、かの有名な
パレンケPALENQUE(チアパス高原にある神殿遺跡)も
同時代の都市であり、
カラクムルに征服された時期もあるほどです。


そう考えると、
現在の、ティカルとパレンケの人気と知名度に比べ
カラクムルは、とっても目立たない存在です。


しかしながら、
修復が進んでいないというだけで
建築物の内容、広さとしては、
ティカル、パレンケに劣らないものなのです。
むしろ、マヤ古典期としては、最大級!


そして、カラクムルのピラミッドは
高さ45メートルと
コバ遺跡のノホック・ムルピラミッドより
3メートル高いものになっています。



マイナー・・・とはいいながらも
最近になって、だいぶ脚光を浴びるようになってきておりまして、
日本のツアーでも、
個性的な旅で有名なユーラシアの旅が、カラクムルを
ツアー日程に入れるなど、
訪れる方も増えてきてはいるようです。


ユーラシアの旅のカラクムル入りツアー♪



が、


依然として、非常にマイナーな遺跡であることには
かわりはありません。


というわけで
現在、公開されている3つのピラミッドにはすべて登れますし


修復される前の遺跡がどんな状態だったのかが
非常によくわかる構造になっています。


カラクムルからは、10個のヒスイの仮面がみつかったそうで
それらは、カンペチェの博物館に収められているそうです。


カラクムルで見つかった仮面など



遺跡は深い森の中にあり、
自然保護区にもなっていますので、
サル、いのしし、キジ、野生の七面鳥はもちろんのこと、
ジャガーまでみられるそうですよ!!!



たくさんの動物に会えるのも
楽しみのうちの一つです。



ユカタン半島内にあるとはいえ、
残念ながらトゥルムからの日帰りはまず無理です。



バカラルもしくは、チェトマルに宿泊して、
2泊3日で往復するのが無難でしょう。



では、さっそく、カラクムルのご紹介をしていきます。





まず、チェトマル、もしくは、カンペチェから
カラクムル保存地区の入口に通じるゲートに到着します。





こちらが、そのゲート。
ここに乗ってきた車を駐車し、
村が管理する車に乗り換えなければなりません。

マイカーやレンタカーの場合は、乗換の必要はありませんが
観光ガイドと一緒の車の場合には、
乗り換えが必要です。
そして、ここで保護地区への入場料金を取られます。
車1台につき約8000円






こちらがゲートにあるトイレ。
ちゃんとした水洗です。
紙はありませんが。。。














そして、このゲートから、遺跡の本当の入口までは
60キロの道のり。
約1時間、ジャングルの中を走らなければいけません。
観光バスで到着した場合は、
町のタクシーに分乗しますので
運転手さんが、ものすごいスピードで連れて行ってくれます。








15分ほど走ると、もう一つのゲートがあり
そこでも入場料を取られます。


そして、さらに走ること45分。


ようやく、遺跡の入口に到着!

そしてここでも入場料を取られます。



つまり、遺跡に入るまでに3回、お金を取られるのです!
(2015年1月現在の話)




こちらがカラクムルがユネスコの世界遺産に指定されたという看板










そして一時間のドライブでやっと到着した入口から
約1キロ、15分ぐらいジャングルを歩いて
やっと最初の遺跡群に到着します。



こちらが最初に出てくる建物群。
階段の上にはニョキニョキと木が生えています。
放置された後、
完全に森に埋もれてしまったのですね。。。。








見てください!この立派な木を!!!










建物を囲っていた壁も
下の方がわずかに残るだけで
上の方は完全に森になってしまっています。






しばらく歩くと、中央広場が見えてきます。
そして、一番最初に目につくのが、こちらの
Ⅶ号の建築物。
ピラミッド。。。というにはちょっと背が低いかもしれませんが
でも、十分高さがあります。




Ⅶ号の建築を横から見たところ。




この建物に登りますと
最もメインとなるⅡ号建築、双子の神殿が
真正面に見えます。









そして、こちらが、
Ⅶ号建築の目の前にある
カラクムルの名前の由来ともなった
双子のピラミッドの階段部分。
下から見上げたところです。








なぜ双子いうかといいますと、
まるでフタコブラクダのように
二つの高さの違う建物が
ピラミッドの上に、前後に建設されており、
まるで二つのピラミッドがあるように見えるのです。



もちろん、下からでは、双子であることは全く分かりません。


ひたすらピラミッドを上っても、
全く分かりません。笑







頂上にのぼると、まず見えるのが
向かい側のⅦ号建築。





まずは、手前の低い建物に到着し、
そのあと裏手に回って
もう一つの高い建物に登ります。


すると、こういう眺め。。。。
すぐ手前にみえるのが
同じピラミッドの上にある、手前の低い建物で、
向うに小さくみえるのが、
Ⅶ号建築。
ものすごくいい長めです。
これが地上45メートル!







そして、脇を見ると
なんとまだ大きな建物があることに気づきます!


こちらが、
双子のピラミッドの次に高いといわれる
Ⅰ号建築です。








Ⅰ号建築に上る途中にある木。。。。
階段にがっちりくっついていますね。








そして、Ⅰ号からみた、
双子のピラミッド。


正面は、全部きれいに木が切られていますが
横から見ると
完全に森におおわれていて、
こんもりとした山にしか見えないのが
わかりますでしょうか。。。

でもちょっとだけ、
左側が高くて、右側が低いですよね?
つまり、左側が後部で、右側がピラミッドの手前側になるわけです。






という感じで
とにかくカラクムルは広い。。。。。


実は、旅行日程の関係で、
園内を歩いてみて回る時間が2時間半程度しかなく、

鳥に気を取られたり
クモザルに気を取られたり
ホエザルの鳴き声に耳を澄ませたり。。。としてたら


全然時間が足りませんでした!汗


私が行ったときは
ユカタン半島をぐるりと回るツアーの一部として
企画したので


カンペチェを朝7時に出て、
朝食を食べたり、途中休憩をしたりしながら
12時ごろ、ゲート到着。
そこから1時間、村のタクシーに揺られて
13:30頃到着。
そして、4時近くまで遊んでいて
ゲートに戻ってきたのが5時。

そこからバカラルまで2時間半、
食事もとらずに走り抜け
夜8時近くになって、
バカラルの宿に到着。。。というパターンでした。


近隣にも宿泊施設はあるようなのですが
あんまりいい宿ではなかったので
バカラルまでの長距離移動をしてしまいましたが
結果的にはすごく良かったと思っています。


ただし、カラクムル近辺にも
まだまだ遺跡があるので
近くの町の安宿にとまって、
他の遺跡を見て回るのもいいかもしれません。。。。



正直、初めて行ってみて
これだけ何度も入場料とられたりとか、
車乗り換えなきゃいけないとか・・・っていうのは


けっこうハードル高いな。。。と思いました。



なんとなく、村の利権意識が見え隠れして。。。


でも、実際問題、遺跡を維持していくのは
とても大変なことですし、お金もかかります。

人がたくさん来るようになれば
破壊される部分もあるわけですから
ブータンの観光政策のように
労力をかけてでも、お金をかけてでも
本当にみたいと思う人だけが
来てくれたらいい・・・という気持ちも
分かる気がします。


何がいいとか悪いとかは
私たちの都合では言えません。


今後、どう発掘作業が行われ
どんな修復が行われていくのか、

また、観光資源としてどう発展していくのか


政治的にも、学問的にも
興味深い遺跡です。


かつて最大の力を持ち、
この地域を制覇していたカラクムルは
今後、どんな姿を見せてくれるのでしょう。。。。。








にほんブログ村 健康ブログ ヨガへ
にほんブログ村

にほんブログ村 海外生活ブログ メキシコ情報へ
にほんブログ村