2015年12月2日水曜日

ちょっと真面目にヨガ その3 理論3 「ラージャ・ヨーガ」

●ラージャ・ヨーガ


パタンジャリがまとめた「ヨーガ・スートラ」において
体系づけられたヨーガです。

解脱に至るまでの明確な実践プロセス(八支則)が特徴であり、
主に瞑想を中心に行う静的なヨーガです。



<八支則(アシュターンガ・ヨーガ)>

八段階で行うヨーガの全体像であり、
この通りに実践していくことで解脱に至ることができるとされています。


【第一段階: 禁戒(ヤマ)】

人間は他者とのコミュニケーションの中で存在しているため、
まずは自分が発するエネルギーや行為を良好にする必要があります。

この考え方は「汝の与えしものを汝が受け取る」という
カルマの法則に基づいています。

従って第一段階としては重要なのは、
日常生活において以下の5つの禁戒を守ることです。

(1) 非暴力(生きるものに無用な殺生を加えない)
(2) 正直(言葉と行動を一致させ正直になる)
(3) 不盗(人のもの、喜び、時間などを不当に奪わない)
(4) 梵行(性的エネルギーを適切に制御する)
(5) 非所有(所有することに執着しない)



【第二段階: 勧戒(ニヤマ)】

第一段階では、日常生活において
気をつけるべきこと(してはいけないこと)が述べられていますが、
第二段階では、「すべきこと」が5つの規則になっています。
普段の生活の中でその習慣を身につけることが、
解脱への道となります。

(1) 清浄(外面も内面も清潔に保つ)
(2) 知足(足るを知る)
(3) 精進(行や仕事を積み重ねる)
(4) 読誦(常に経典を読んだりマントラを唱える)
(5) 自在神祈念(自身の守護神に目標を祈る)



【第三段階:坐法(アーサナ)】

いわゆるヨーガのポーズのことです。
アーサナは、

瞑想のためのもの、
リラックスのためのもの、
身体を作るためのもの

との3つに大別できます。
ゆっくりと呼吸をしながら、体で一定の型を作っていきます。



【第四段階:調気法(プラーナーヤマ)】

宇宙エネルギーであるプラーナ(生命力)を呼吸法によって
調整する手法です。

様々な種類の呼吸法がありますが、
これを行うことで、
身体にプラーナが満ち煩悩が消えるとされています。




【第五段階:制感(プラティヤハーラ)】

制感とは、身体的・生理的な感覚をコントロール
(押さえつけるのではなく自在に扱えるようになる)
していく手法です。

経典「ヨーガ・スートラ」においては

「諸感覚器官が、それぞれの対象に結びつかず、
あたかも心そのもののごとくになる」と

書かれています。
外の世界に向かっていく心や感覚器官を
それから切り離して内側に集中させることで、
何ものにもとらわれない自在な心を手に入れることができます。



【第六段階:凝念(ダーラナ)】

凝念とは心をある一点に集中させて
動かさないことを意味します。

ロウソクの火や特定の図形を使ったり、
自分の眉間に心を集中させたりして、実践を行います。



【第七段階:静慮[瞑想](ディヤーナ)】

静慮(瞑想)とは、
集中が自然と深まっている状態を指します。

第六段階の凝念で心を一点に集中させるうちに、
やがてその対象と同化し始めます。

そして、日常の意識を超えて直感がひらめくようになり、
さらには自我の領域を持越えて広がっていきます。

経典「ヨーガ・スートラ」においては、


「その対象にする想念が、一つの不断の流れになっていること」

と書かれています。




【第八段階:三昧(サマーディ)】

三昧とは集中している対象と調和している状態を指します。
第七段階の「静慮(瞑想)」の状態がさらに深まり、
自我の認識領域を超え、
「生命の智」をもたらす領域に入ることを意味します。

経典「ヨーガ・スートラ」では

「真我がその周囲を取り巻いている
自然的存在と自分とを混同していた過失に気付いて、
その束縛から脱出することである」

と記されています。






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