2015年12月5日土曜日

ちょっと真面目にヨガ その3 理論4 「バクティヨーガ他」

●バクティ・ヨーガ

バクティとは「愛」を意味し、
バクティ・ヨーガとは神への強烈な愛を培うことで、
解脱へと至るヨーガを指します。

インドの叙情詩「マハーバーラタ」に収められている
「バガヴァット・ギーター」という経典に書かれており、
クリシュナが開祖と考えられています。

人間は欲が満たされないため、
様々な感情に支配されていますが、

たとえ一瞬であっても、
神への真の愛を悟ることができれば、
欲は満たされ、この宇宙のすべてを愛し、
何ものも憎まなくなります。

真の神への愛はカルマ(業)よりも強いが故に、
そこから解放され、
永遠の自由を手にすることが出来るのです。
これがバクティによる解脱です。


バクティ・ヨーガの実践は、
最も自然で簡単に解脱できる道ではありますが、
この宇宙にあるものをすべて
神の愛の化身とみるため、

とくにグル(導師)や宗教的指導者を「神」と混同し、
狂信的になる場合があるので、
低俗なものにならないよう注意が必要となります。




●カルマ・ヨーガ

カルマ・ヨーガの経典も、
「マハーバーラタ」に収められている
「バガヴァット・ギーター」であり、
カルマとはこの世界のすべての「行為」を意味します

(ここでいうカルマは因果応報の「業」とは違います)。


カルマ・ヨーガにおいて、
解脱に必要な「知識」というものは、
外から得られるものではなく、
自分の内にすでに存在するものとしています。


そしてカルマ(行為)がきっかけとなり、
私たちはその知識を得る(自分の中に発見する)ことができるのです。


カルマ(行為)は大きくて派手なものが重要なのではなく、
日常的な普通のカルマ(行為)をいかに行っているかが問題となります。


つまり、私利私欲のためにカルマ(行為)を行うのではなく、
無私無欲で、人々に、
またこの世界に無償の奉仕をする精神で行うことが大切なのです。

自分のエゴを捨てて、
奉仕の精神をもってすべてのカルマ(行為)を行うよう心がけることが、
カルマ・ヨーガの実践であり、
カルマを通じて解脱するプロセスなのです。




●ギャーナ・ヨーガ

徹底的に経典を研究し、
知識と智慧を身につけることによって
解脱を目指すヨーガをギャーナ・ヨーガと言います。

絶対の存在であるブラフマンとアートマン(真我)が
同一であることを哲学的に理解することで
解脱に達するとされており、
一般的にはもっとも難易度の高いヨーガと言われています。


ラージャ・ヨーガ等のように
明確な実践段階や手法はなく、
様々な経典をひも解いて、
自分なりに理解し、解釈し、解脱への道を進んでいくことになります。